2021年に公開された菅田将暉×有村架純W主演の映画
「花束みたいな恋をした」
恋愛映画ですが、いわゆる「キュンキュン」や「キャピキャピ」したテイストの恋愛映画ではなく。
エッセイのような感じで進んでいく雰囲気は、私にとってとても観やすかったです。
そして多くのカップルの共感を呼んだといいます。
号泣する人と、全然泣かない人、観た人の状況によっていろんな感想が出そうです。
ちなみに私は全く泣き所はありませんでした。
でも、ひとつのカップルの物語を飽きずに見ることができました。
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「花束みたいな恋をした」あらすじ
東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った 山音麦 (菅田将暉)と 八谷絹 (有村架純)。好きな音楽や映画が嘘みたいに一緒で、あっという間に恋に落ちた麦と絹は、大学を卒業してフリーターをしながら同棲を始める。近所にお気に入りのパン屋を見つけて、拾った猫に二人で名前をつけて、渋谷パルコが閉店しても、スマスマが最終回を迎えても、日々の現状維持を目標に二人は就職活動を続けるが…。まばゆいほどの煌めきと、胸を締め付ける切なさに包まれた〈恋する月日のすべて〉を、唯一無二の言葉で紡ぐ忘れられない5年間。最高峰のスタッフとキャストが贈る、不滅のラブストーリー誕生!
引用:『花束みたいな恋をした』HP
──これはきっと、私たちの物語。
「花束みたいな恋をした」予告編
「花束みたいな恋をした」考察(注:ネタバレあり)
こんな偶然や運命みたいな出会いってある?
いやいや、現実にはない。
映画の世界ですから。
でも多くのカップルの共感を呼んでいます。
共感が多かったのはその運命のような出会いではなく、そのあとの展開です。
別れる前のすれ違いや、心が離れていくさまがリアルに描かれていました。
絹は浮気した?
麦と絹が別れた後に、
絹が「正直さ、一回ぐらい浮気したことあったでしょ?」
と聞くシーンがあります。
麦は「え、浮気?あるの?普通にないけど。」と答えます。
絹は意味ありげ微笑んでに「ふーん」と答えます。
この麦の「(浮気したこと)あるの?」という問いに対して絹は何も答えていません。
結局、絹は浮気をしていたのでしょうか?
1番あやしい場面は、絹がイベント後の打ち上げで酔い潰れてしまったシーン。
1杯で酔って寝てしまった絹は、起きると加持の膝枕で寝ていました(店内)。
寝てしまう前は「私どうすか」と何度も加持に絡んでいたといいます。
記憶がないとはいえ、まず浮気願望はあったってことですね。
そして加持に「ラーメンでも行く?」とラーメンに誘われます。
ラーメンを食べに行くシーンは描かれておらず、次のシーンでは1人で帰宅の電車に乗っていました。
そして電車内で加持と「また明日」というメッセージをやりとりしていました。
時間は深夜の1:02。
もし加持と決定的な浮気をしていたのなら、帰りは朝帰りになっていたはず。
イベント後の打ち上げ→酔い潰れて寝てしまう→ラーメン。
この流れで深夜1:00に帰宅の電車。
この時間に帰宅ということは、本当に普通にラーメンを食べただけなのかなと。
その深夜の帰りの電車で、絹は偶然麦と会います。
絹は一瞬気まずそうでしたが笑顔を向けていたし、浮気はしていないという結論。
でももし、加持がホテルに誘っていたとしたら絹はきっと行ったのでしょう。
機会があれば浮気はしていたという確信が、絹自身にもあったんだと思います。
だからきっと麦の「あるの?」という問いに絹は答えなかったのです。
結局気持ちは浮気していたということですね。
趣味・考えが合いすぎるカップル
麦と絹は、履いている靴が一緒というところから好きな作家まで、本当に趣味が合いました。
話も尽きることは無く、気が合いすぎて怖いくらいでしたね。
ましてや20歳すぎたぐらいの年齢。
運命を感じてしまうのも無理はないのかもしれません。
映画を観ている途中まで、こんなに趣味の合う人と出会えるなんてうらやましいなとさえ思っていました。
でも2人は別れてしまいます。
共通点が多過ぎて、一緒に楽しめることが多すぎて、『楽しいこと=2人で一緒に』が当たり前になっていたのです。
そして考え方までも一緒なのが当たり前になってたんだと思います。
趣味も考えも合うことが当たり前になってしまうと、ちょっとの合わなさが浮き彫りになります。
前はこんなに合っていたのになぜ合わないんだろう。
そういう不満が増えていってしまったのです。
反対に自分にないものを持っている人が好きっていうタイプもありますよね。
自分と真逆の人に惹かれるパターンです。
この映画を観るとそっちの方がいいのかもとも思ってしまう。
でも結局、適度に合って適度に違うのが1番いい気もするなぁ(結論出ないと中間とりがち。)
でも40代からすると、20代前半なんてそんな恋愛があっていいんじゃないかなって思う。
運命だと思って突き進むけど、いろいろあって別れてしまう。
お互いちゃんと向き合って別れたのなら、今後の恋愛の参考にできそうです。
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なぜ別れた?
なぜ別れたのか。
一つ前でもつらつらと書いていましたが、合いすぎたこともひとつの原因だと思います。
合いすぎたために、合わなくなったときのズレを大きく感じてしまったということ。
そして別れの決定打が、お互いが別れようと決めた日のファミレスのシーン。
麦は別れようと話を切り出しますが、昔の写真を振り返っているうちに決意がゆらぎます。
「結婚しよう。結婚したら恋愛感情がなくなる夫婦なんてたくさんいる。」
という麦の提案に、絹の別れる決意もゆらぎます。
しかし、近くの席に座った昔の自分たちによく似た若々しいカップルを目の当たりに。
そこでやっぱりお互い別れる決断をしました。
なぜ結婚しようかというところまでいったのに、結局別れてしまったのでしょう。
それは、若いカップルを見て出会ったときの感情をリアルに思い出し、もうその時のような感情が全く残っていないことをあらためて感じたのです。
出会いの盛り上がりが大きかっただけに、今の感情との差がとても大きいことを目の当たりにしたのでしょう。
付き合うべくして付き合って、別れるべくして別れた。
と言うしかない。
ちょっと割り切った考えかもしれないけど。
趣味も考えも合いすぎてそこまで意気投合したのなら、付き合わない道はなかったと思います。
そして麦は生活するために社会に出て変わっていった。
麦は夢を追いかけてばかりいられないと変わった。
そんな変わった麦に絹は魅力を感じなくなった。
お互い別に悪くない気がします。
社会に出て頑張って働くことは悪いことじゃない。
そして好きじゃなくなってしまうのも仕方のないこと。
しいて言うならば、絹の方が結婚にはまだ早く、刺激を求めるタイプだったというとこなのかな。
ただ20代後半になってくると、少しまた絹も変わってくるんじゃないかなとも感じました。
この映画を観たカップルが別れる理由
この映画を観て別れるカップルが多いという噂を小耳にはさみました。
まぁ、わかるなぁ。
というのが正直な感想。
麦と絹のカップルが、一般的なリアルなカップルのすごく近いところにいるんですよね。
けっこう2人の状況がリアルなんだと思います。
きっと「これ、私たちのこと?」って思うカップルが多いんだと思います。
それは麦と絹のようにものすごく気が合うってところではなくて。
たぶん共感してしまう部分は、麦と絹のすれ違っていくところ。
「もう、どうでもよくなった」
麦と絹のこの台詞がすごく頭に残っています。
付き合っていると、考えるのに疲れて「どうでもいいや」って思うことは、程度はどうあれどのカップルでもあることだと思うんです。
麦と絹の場合は、けっこう煮詰まってきてからの重い「どうでもよくなった」ですが。
そこまで重くない自分たちの「どうでもいい」を、この映画を観ることによって重い「どうでもいい」に変換してしまっているカップルも多いのかなと。
居心地はいいけれど刺激がないなぁとマンネリ化しているカップルの、別れの背中を押していることは間違いないかもしれません。
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作品概要
脚本家坂元裕二さんの完全オリジナル作品。
坂元裕二氏は2016年のドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」の脚本も手がけています。
麦と絹を友達の友達ぐらいの感覚で見られるような、身近な人物として描いたそうです。
↓「花束みたいな恋をした」ノベライズ本↓
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キャスト
山音麦 | 菅田将暉 |
八谷絹 | 有村架純 |
加持航平 | オダギリジョー |
八谷佐智子 | 戸田恵子 |
八谷芳明 | 岩松了 |
山音広太郎 | 小林薫 |
スタッフ
監督 | 土井裕泰 |
脚本 | 坂元裕二 |
インスパイアソング | Awesome City Club「勿忘」 |
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