映画「東京タワー」は実話?リリーフランキーの母との物語に涙。あらすじ・感想

映画
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2007年に公開された

「東京タワー~オカンとボクと時々、オトン~」

リリー・フランキーさんが執筆した自伝的小説を、映画化した作品です。

自伝的小説とは、自伝的要素とフィクションが混じり合った小説のこと。

実話ではあるけれど、少しフィクションも混じっているということですね。

リリーさん視点から描かれたオカンは、たくさんの人から愛されたとても魅力的な人物でした。

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「東京タワー」あらすじ

ボクが3歳の頃、自由奔放なオトン(小林薫)に我慢できなくなったオカン(内田也哉子)はボクと2人で家を出た。

ボクが15歳までは筑豊にあるオカンの実家で過ごした。

中学3年生になったボクは、寂れた町を出て行きたくなり、オカンを自由にしてやりたいという気持ちも芽生えてきた。

そして大分にある美術高校に進学。

ボクは下宿生活をすることになった。

オカンと離れることになったボクは、家を出る日、オカンが作ってれた弁当を食べながらオカンからの手紙を読み、電車の中で泣いた。

1990年代、ボク(オダギリジョー)は東京の武蔵美術大学へ進学。

遊びほうけて留年し、最後の学費もオカン(樹木希林)に頼った。

就職もせず何もしなかったおかげで溜まった借金を返すため、来た仕事をがむしゃらに引き受けているうちに、イラストレーター・コラムニストとして成功した。

オカンに心配や迷惑をかけずにやっていけると思っていた矢先、一本の電話が。

それはボクにとって、とても受け入れがたい現実だったーー

「東京タワー」感想(注:ネタバレあり)

この映画を語るインタビューで、「男は誰でもマザコン」と語ったリリー・フランキーさん。

私はこの映画を観て「マザコンの映画」だとは少しも思いませんでした。

母が子を想う、そして息子が母を想う、切なくもとても温かい作品でした。

息子と母の距離感

息子にとっての母親。

ものすごく大きくて大事な存在ではあるけれど、常に気にかけているわけではない。

いつもそこにいて、ずっと変わらないでいてくれる存在

母親って男の人にとってそういうものなんだろうなと感じます。

男の人に限らず、女の人にとってもそうかもしれないけれど。

ボクにとってもオカンはそんな存在でした。

絶対的な味方で、何か困ったら甘えられる存在

ボクは大学を留年してしまいますが、学費をオカンに工面してもらいます。

オカンはいつだって息子を見放すことなく、自由にやっているボクを影ながら支えていました。

確かに若い時って自分のことでいっぱいになって、母親のことはあまり気にかけなくなることって多いですよね。

でも母親って、積極的に関わりはしなくても、きっと幼いときと同じようにずっと息子を想っているんです。

私には小学生の息子がいます。

だからなのか、どうしても母親目線になって観てしまいました。

まだ小学生ですが、息子が大人になっても息子を想う気持ちは変わらないんだろうなぁと。

何か困っていたら助けてあげたい、そう思い続けてしまうんだろうなと感じました。

1人で立てるようになってほしいという気持ちはもちろんありますけど。

(ボクのように、借金したり、住むところがなくなったりはしてほしくない…)

そして息子の彼女やたくさんの友達に好かれて、仲良くなってしまうオカンにすごく魅力を感じました。

私も息子の彼女とあんなに仲良くなってみたい。

オカンの最後

離れていても、元気でいて欲しい。

いつまでも昔のままの元気で明るい母親でいて欲しい。

そんな願いも打ち壊してしまう、オカンの病気。

オカンが抗がん剤で苦しむシーンは、目を伏せたくなるようなつらいシーンでした。

リリーさん自身も、抗がん剤治療のオカンの苦しみは、軽く想像を超えてきたと語っています。

樹木希林さんが演じた苦しむ姿は本当にリアルで、ガンの恐ろしさを体現していました。

大切な大好きなオカンが抗がん剤治療で苦しむ様子を見守るのは、ボクにとってどんなに辛かっただろう。

自分だったらと思うと苦しくなり、見ていて本当に辛かったです。

ボクはずいぶんとオカンに迷惑や心配をかけてきたように思います。

学校へ行かずに留年したり、遊ぶお金をせびったり。

でもオカンは最後に「優しい息子にめぐまれて、幸せな最後を迎えることができます」と手紙を残します。

東京に呼び寄せ、オカンが寂しくない場所をくれた息子。

自分の仕事を見つけ、しっかり自立した息子。

最後をそばで看取ってくれる息子。

自分を大事に想ってくれる息子。

もうこれだけでじゅうぶん幸せだったんじゃないかなと感じました。

何かお金を使ってもてなしてくれたりするよりも、大事な息子が優しく立派に成長しているというだけで母親は幸せなのかもしれません。

いつまでも親孝行できるわけではない

親にはずっとずっと元気で生きていて欲しい

両親の子供である私は、いつでもそう願ってしまいます。

でも実際そんな願いは叶いません。

自分が歳をとるにつれて、当たり前に親も歳をとります。

いつかは経験しなければならない親の死。

あまりに現実味がなくて、直視したくなくて、見て見ぬふりをしていることでもあります。

電話をかけると当たり前のようにそこに声がある。

それが当たり前じゃなくなる日がいつか来てしまうんです。

それを顔を背けずちゃんと受け止めなければならない。

そう言われた気がしました。

親は、子供に健康で元気に暮らしていてくれれば何も願うことはない。

これは子供を持った今、確かに私も実感しているところです。

でも、自分の親に対して、もっと感謝を伝えていかなければとあらためて思った映画です。

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「東京タワー」作品概要

原作はリリー・フランキーさん著書の自伝的長編小説、「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」。

原作小説は2006年に刊行されました。

映画では、小泉今日子さん、六角精児さん、宮崎あおいさん、仲村トオルさん、柄本明さんなどがカメオ出演していることも話題となりました。

テレビドラマ化もされています。

2006年11月、大泉洋さん主演で単発テレビドラマ化がされました。

2007年1月には、速水もこみちさん主演で連続テレビドラマ化もされています。

キャスト

ボクオダギリジョー
オカン樹木希林
若い頃のオカン内田也哉子
オトン小林薫
ミズエ松たか子
平栗勝地涼

スタッフ

原作リリー・フランキー
監督松岡錠司
脚本松尾スズキ
主題歌福山雅治「東京にもあったんだ」

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本ページの情報は2023年11月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

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