映画「博士の愛した数式」伝えたいこととは?オイラーの等式の意味って?考察

映画
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深津絵里さん・寺尾聰さん出演、2006年に公開された映画

「博士の愛した数式」

原作は、本屋大賞を受賞し、高校生の読書感想文の課題図書にもなった小川洋子さんの小説「博士の愛した数式」です。

記憶が80分しか続かない博士と、家政婦とルートの、とても心が温かくなる物語です。

結局伝えたいことは何だったのだろうかという声も多いこの作品。

博士の愛したオイラーの等式の意味についても、私なりに考察してみました。

「博士の愛した数式」あらすじ

シングルマザーの家政婦(深津絵里)は、博士(寺尾聰)の家に派遣されてきた。

博士は記憶が80分しかもたない元数学者。

数学をこよなく愛し、ちょっと変わり者の博士に、家政婦も初めは戸惑っていた。

しかし博士の優しさや数学への情熱にふれていき、家政婦はしだいに博士を尊敬し、親しみを持つようになる。

そんな中、博士は家政婦に10歳の1人息子(齋藤隆成)がいることを知る。

子供が1人でお腹をすかせて留守番していることにいたたまれなくなった博士は、次の日から息子を家に連れてくるようにと言う。

博士は息子を「ルート」と名付け、3人は日々を過ごしながら心を通わせていくーーー。

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「博士の愛した数式」伝えたいこと・考察

ゆったりと小説を読んでいるような気持ちにさせられた映画でした。

すごく盛り上がるような場面はありませんが、じんわりじんわり心に温かいものが残るような作品。

退屈とか眠いというような感想もちらほら見かけましたが、私はこんな穏やかな映画も好きです。

あまり主張してこない語りかけるような映画だったので、伝えたいことをわかりやすく表していません。

そこで、この映画で伝えたかったことを考察してみました。

数学の美しさ・オイラーの等式

この映画が伝えたかったこと。

まずは、数学の美しさ

「博士の愛した数式」というタイトルからも伝わります。

数学の先生になったルートが、生徒に数学を教えている場面を追いながら物語が進んでいきます。

このルートを演じる吉岡秀隆さんが柔らかい口調ですすめる授業は、とてもこの映画の雰囲気に合っていました。

私は数学が得意ではないので、本来難しい公式や記号などはなかなか頭に入ってこないタイプです。

でもルート先生の授業は思わず聞き入ってしまいました。

「友愛数」や「完全数」などに何か神秘的なものを感じさせられてしまうのです。

博士が愛したという数式は、オイラーの等式

e + 1 = 0

ルート先生は以下のように語っています。

「eもπもiもつながらない。でもね、一人の人間がたったひとつだけ足し算をすると世界は変わります。矛盾するものが統一され、ゼロ。無に抱き留められます。」

引用:映画「博士の愛した数式」

そしてルート先生はこの数式に対して、こうも語っています。

暗闇に光る一筋の美しい流星。」

引用:映画「博士の愛した数式」

これはどういうことなのか。

なぜ博士がこの数式を愛したのか。

暗闇というのが、eとπとi。

一筋の美しい流星というのが、+1。

この+1というのは、博士にとって幼いルートだったのではと思うのです。

博士は若い頃、義姉との不倫の末に子供が流産してしまい、その罪悪感や虚無感から心が暗闇にいたと思われます。

そこへ現れた家政婦とルート。

美しい流星のルートです。

博士の記憶は80分しか持ちません。

毎回家政婦とルートは、博士と「初めまして」をするのです。

しかし、ルートと何度も過ごしているうちに、温かい心は積み重なっていきます

いくら記憶は80分しかないとしても、感じる心はきっと続いているのです。

まさに博士にとってマイナスであった世界が、無に抱き留められたのだと思います。

この無関係ともとれる関係でも、1つ足すだけでマイナスを無にできる。

わかりづらいけど、暗闇も単純なことでまっさらにできる。

人との関わりの美しさを、数学の美しさと重ねて表していると感じました。

他者を思いやる心・愛

この作品では、他者を思いやる心・愛が伝わってきます。

この作品をとても穏やかな心で見ることができる1つの理由。

それは家政婦もルートもとても素直で優しいところが1番にあげられます。

少し変わり者の博士を偏見の目で見たことはないし、他者を尊重する2人です。

こんないい人はいないという声も少し聞こえてきましたが、そこは映画の世界。

気持ちよく見ることができるなら私は大歓迎です。

他者を思いやる心は、見ている私も癒やされました。

「約束しよ。その話はもう聞きました、と決して言わないって」

家政婦とルートが2人で約束事を決める台詞です。

こういう思いやる心の積み重ねが、博士の「+1」という一筋の光につながったのだと思います。

そして博士からのルートへの愛情も、この「+1」をより強いものにしたのでしょう。

この映画で伝えたかったこと、思いやる心・愛なのだと感じます。

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「博士の愛した数式」作品概要

原作は、2003年に発行された小川洋子さんの小説「博士の愛した数式」。

小説は、第一回本屋大賞を受賞しています。

博士と義姉が能を鑑賞しているシーンでは、小川洋子さんがカメオ出演されています。

白いコートを着ているのが小川洋子さんかと。

必見です。

キャスト

博士寺尾聰
家政婦深津絵里
ルート(子供時代)齋藤隆成
ルート(19年後)吉岡秀隆
義姉浅丘ルリ子

スタッフ

監督・脚本小泉堯史

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