映画「アヒルと鴨のコインロッカー」最後どうなった?どんでん返しが秀逸!考察・感想(ネタバレあり)

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2007年に公開された濱田岳×永山瑛太主演の映画

「アヒルと鴨のコインロッカー」

終盤のどんでん返しが見事でした。

そういうことだったのか!と話が一本につながる感覚。

でも、どんでん返しを見るための映画ではなく、話の軸はもっと深いところにあります。

ラストは観客の解釈にゆだねる形で終わったので、観た人それぞれのラストがあると思います。

そんなラストも私なりに考察してみました。

正直な感想とともに。

「アヒルと鴨のコインロッカー」あらすじ

椎名(濱田岳)は大学入学を機に仙台に引っ越してきた。

玄関先で引っ越しの片付けをしていると、隣に住む男が声をかけてきた。

その男は「河崎」と名乗る。

河崎の部屋に招かれた椎名は、隣の隣に住む外国人・ドルジの話を聞いた。

そして河崎から「日本語を覚えたいドルジのために、本屋を襲って広辞苑を盗もう」と誘われる。

椎名は訳がわからなかった。

椎名は河崎を変わっていると思いつつも、流されやすい性格のせいで河崎に付き合わされることになる。

計画通り、本屋を襲うことになってしまった。

しかしこの計画の裏には、とても切なく、椎名には想像もできない秘密が隠されていた。

その秘密とはいったい何なのか。

「河崎」はなぜ本屋を襲ってまで広辞苑を盗まねばならなかったのか。

その真実が明らかになったとき、「河崎」の本当の姿を知ることになるーーー

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「アヒルと鴨のコインロッカー」考察・感想(ネタバレあり)

序盤はたんたんと進んでいきますが、終盤にどんでん返しがあります!

ぜひ一気に見てほしい。

※これ以降ネタバレになりますので、まだ見ていない方は見てから読まれることをおすすめします。

終盤のどんでん返し

まんまと騙されました。

騙されたというか、そういうことだったのね!という感じ。

見事です。

でもね、はじめにドルジだと言われていた101の彼は、きっとドルジじゃないんだろうとは思ってましたよ。

そこは当たってた!

だってあまり喋らないし、引きこもりという割には外にいることが多いし。

でも、永山瑛太さんがドルジだったとはさすがに予想できなかったです。

騙されていたからこそ、全部つながったときに「そういうことか!」と一本とられた感。

同時に、瑛太さんがドルジだとわかったあとは、すごく切なくなりました。

どんな思いで、ドルジの話を椎名に話していたんだろう

どんな思いで、河崎から教わった日本語を違和感なく話せるように努力したんだろう

そしてただの怪しい人だとばかり思ってた人への見方が、一気に変わりました。

急に瑛太さん演じる河崎(ドルジ)が人間味を帯びて見えてきたんです。

この物語でも暗に示されていた、外国人は何を考えているかわからないという偏見を自ら体験したように感じたのです。

はじめは河崎(永山瑛太)が何を考えているか全くわからなく、もし側にいたらちょっと距離を置きたいなと思っていました。

河崎(永山瑛太)を日本人としては見ていましたが、よくわからないといった点では外国人を見ている視点と似ていたのです。

言葉があまり通じない、表情が読み取りにくい、それだけで相手とわかり合うという選択肢を選ばないのかもしれません。

外国人でも日本人でも、変わらず豊かな感情を持っていることなんて当たり前です。

偏見を持つことは良くないと思っていたはずの自分に、実は偏見を持ってしまっていることを突きつけられた気がしました。

そんな感情をも抱かせられる最後のどんでん返しは本当に秀逸だなと感じます。

琴美がなんだかな

琴美。

ペットショップで働いている、動物好きで正義感の強い、明るい女の子。

いい子なのはすごくわかるんです。

でも、行動が軽率だったり感情の赴くままに行動したり、なんだかモヤモヤとさせられる存在でした。

だってもうちょっと冷静に行動していたら、いろんな人に迷惑かけなかったはず。

「あんたたちのこと、警察に言ってやるから!」って、動物虐待の現場を見たときに犯人たちに叫んだり。

そもそも動物虐待の恐ろしい現場を見たら、自分たちだけで踏み混んで行くなんて危険です。

見つからないように警察に電話するのが最善ですよね。

早いとこ猫を助けたいって気持ちもあるのかもだけど。

そのせいで一緒にいたドルジも危険な目に遭ってるしなぁ。

ボーリング場で警察に通報したときも、もうちょっと冷静に警察に相談できたら何か違っていたんじゃないかとも思う。

ドルジの説明を補足して警察に伝えたりね。

なんだか琴美の行動や言動にモヤッとしてしまいました。

もうちょっと琴美の行動を大人にしてくれたほうが、感情移入しやすかったなぁという若干の不満。

ラストはどうなった?

ラスト、動物虐待の犯人である本屋の男を殺そうとしたドルジ。

その罪を神様に見られないようにと、椎名がボブ・ディランの「風に吹かれて」がかかったラジカセをコインロッカーにしまいます。

その後、ドルジは犬を助けようと道路に飛び出しエンドロール。

ドルジは助かったのか。

はたまた死んでしまったのか。

結末は視聴者にゆだねられて終わりました。

うーーん。

上手なラストだけど、なんだかモヤッとして終わったなぁという感じ。

神様はコインロッカーに入れられて見ていないというテイなので、助かったんじゃないかとも解釈できます。

もしくは、ブータン人の教え通り、罪を犯したので死んでしまったという解釈もできます。

私の希望としては前者です。

ドルジは大事な人たち(琴美・河崎)を失い、失意のどん底。

罪を犯してしまったけれど、とても善良な優しい人間。

殺人未遂の罪をちゃんと償い、また椎名と再会し前向きに生きていって欲しいです。

あまりに悲しいドルジの経験に、今後は幸せに暮らして欲しいと願ってしまいます。

希望はそうだけれど、本当の結末はドルジは死んでしまったんじゃないかと思います。

麗子に自首をすすめられても、する気配を見せなかったドルジ。

ブータン人の教え通り、「天罰は下る、その天罰を待とう」という考えだったのかなとも感じました。

どう考えても悪い相手に石をぶつけても、ごめんなさいと謝るほどのドルジです。

復讐のためとはいえ、他人にひどい仕打ちをした自分自身を許せるとは思えないのです。

最後は犬を助けて死んでしまったのではと私は思います。

そして、犬を二度も助け、優しい心の持ち主だったドルジは、ブータン人の教え通り生まれ変わって幸せになった。

これが私が考察したラストです。

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「アヒルと鴨のコインロッカー」作品概要

原作は2003年発行の伊坂幸太郎氏の「アヒルと鴨のコインロッカー」。

原作のモデル地と同じく、ロケもほぼ仙台市で行われた。

キャスト

椎名濱田岳
河崎・ドルジ永山瑛太
琴美関めぐみ
河崎松田龍平
ドルジ田村圭生
麗子大塚寧々
免許のない学生・佐藤岡田将生
バスの運転手真島秀和

椎名の同級生の佐藤が、岡田将生さん。

バスの運転手が、真島秀和さん。

2人ともちょい役なのに出演していたのに驚きました!

スタッフ

原作伊坂幸太郎「アヒルと鴨のコインロッカー」
監督・脚本中村義洋
劇中歌ボブ・ディラン「風に吹かれて」

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